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受け入れの流れと手続き

技能実習生受け入れの流れ・手続きガイド
―初めての企業でも迷わない!申し込みから来日後サポートまで徹底解説―

技能実習生を受け入れたいけれど、

「具体的な流れが分からない」
「どの手続きから始めるべき?」

と悩む企業は非常に多いです。

技能実習制度は、複数の機関(監理団体・送り出し機関・OTIT・入管)が関わり、法律上の手続きや期限が厳密に決まっているため、正しいフローの理解が欠かせません。

このページでは、初めて受け入れる企業でも迷わないように技能実習生受け入れの流れ・手続きのすべてを、時系列で詳しく解説します。
2027年の「育成就労制度」に向けた最新動向にも触れているため、長期的に活用できるガイドです。

まずは、企業が受け入れ開始するまでの全体像を把握しましょう。

【全体の流れ(概要)】

  1. 受け入れ要件の確認・企業準備

  2. 監理団体(協同組合)へ相談・契約

  3. 現地で候補者を選抜

  4. 技能実習計画の作成 → OTITへ申請

  5. 在留資格申請(入管)

  6. 来日前手続き・航空券手配

  7. 来日 → 外国人講習(法定講習)

  8. 企業へ配属 → 実習開始

  9. 定期監査・サポート

受け入れ前の準備(企業側が最初に行うこと)

技能実習生を受け入れるには、まず企業自身の準備が必要です。

(1)受け入れ可能人数の確認

企業の常勤従業員数に応じて、受け入れ可能人数が規定されています。

例:従業員6名 → 実習生2名 など
(職種や段階により異なる)

(2)職種・作業が技能実習制度に対応しているか確認

制度で定められた「職種」「作業」に該当しなければ受け入れ不可。
職種適合のチェックは最初の重要ステップです。

(3)社内体制の整備

技能実習では以下の配置が義務です。

  • 技能実習責任者

  • 技能指導員(熟練者)

  • 生活指導員

(4)職場環境の基準確認

安全衛生設備、危険箇所対策、作業マニュアルの準備など、OTITが求める環境に整える必要があります。

監理団体(協同組合)を通じた受け入れ申し込み

技能実習は企業単独では行えず、監理団体(協同組合)を通して行う仕組みです。

(1)監理団体の選定

良い監理団体を選ぶポイント:

  • 支援体制(24h対応など)が整っている

  • 実績が豊富

  • 料金体系が分かりやすい

  • 送り出し機関との連携が強い

  • トラブル対応が迅速

(2)受け入れ契約の締結

以下の契約が発生します:

  • 監理団体との監理契約

  • 送り出し機関との覚書

  • 企業側の同意書・誓約書

  • 費用説明・見積もり

現地送り出し機関との連携・候補者選抜

監理団体を通じ、海外の送り出し機関と協力して実習生候補を選抜します。

(1)候補者の募集・選抜

多くの場合、次の流れで行われます。

  • 現地での面接(オンライン対応も可)

  • 日本語レベル(N4~N3)チェック

  • 健康診断

  • 適性確認(性格・勤怠・協調性)

(2)採用決定 → 書類準備

採用した候補者は、現地で入国準備研修を受けます(3~6ヶ月)。

技能実習計画の作成とOTITへの申請

最重要手続きの一つです。

(1)技能実習計画書の作成

企業が行う業務に合わせて、実習内容・技能習得状況・教育計画を細かく作成します。

(2)外国人技能実習機構(OTIT)へ申請

審査期間は通常 1〜2ヶ月
書類に不備があると遅れるため、監理団体との連携が不可欠です。

在留資格申請(入管手続き)

OTITの認定後、次は在留資格「技能実習」の申請です。

(1)入管への申請

  • 在留資格認定証明書(COE)申請

  • 雇用契約書

  • 技能実習計画の認定通知

  • 住居・給与などの証明書類

(2)審査の期間

通常 1〜2ヶ月
混雑時は3ヶ月以上かかることもあります。

来日前の準備(企業・監理団体の役割)

在留資格が許可されると、いよいよ来日前の準備に入ります。

(1)企業側の準備

  • 住居(アパート・寮)の確保

  • 家具・家電・生活用品の準備

  • 通勤方法の確保(自転車・送迎)

  • 職場ルールの説明資料作成

  • 翻訳版の就業規則準備

(2)監理団体の準備

  • 来日スケジュール調整

  • 航空券の手配

  • 生活講習の準備

  • 緊急連絡体制の設定

来日後の講習(法定講習)

実習生は来日後、約1ヶ月の入国後講習を受けます。

講習内容

  • 日本語

  • 生活ルール

  • 法律(労働法、技能実習法)

  • 防災訓練

  • 文化理解

実習開始(受け入れ企業でのOJT)

講習修了後、企業へ配属されて本格的に実習が始まります。

(1)初日オリエンテーション

  • 企業説明

  • 作業説明

  • 安全教育

  • 給与・勤怠説明

(2)OJT開始

技能指導員が中心となって実習を指導。
実習の評価(定期試験)も実施します。

定期監査・フォロー

監理団体が 毎月1回以上 企業を訪問し、実習状況を確認します。

(1)監査内容

  • 作業が技能実習計画通りか

  • 給与が適正か(給与明細チェック)

  • 生活環境の問題はないか

  • ハラスメントはないか

  • 実習生との面談

(2)トラブル対応

  • 体調不良

  • 生活トラブル

  • 職場でのトラブル
    などは監理団体と協力して解決します。

2027年「育成就労制度」への移行を見据えたポイント

2027年から技能実習制度は 育成就労制度 に移行する予定です。

企業が準備しておくべき要点:

(1)キャリア形成が重視される

技能実習のような「技能移転」ではなく、
労働とキャリア形成が制度の中心に。

(2)転籍が一部緩和

実習生の待遇改善や定着促進が求められるため、
企業のサポート体制はますます重要になります。

(3)審査の厳格化が予想される

不適正な受け入れ企業は排除されやすくなります。

よくある質問(FAQ)

Q. 受け入れまでどれくらい期間がかかる?

平均 6ヶ月〜12ヶ月

Q. 費用はどれくらい?

実習生1名につき年間80〜150万円程度が一般的(業種により変動)。

Q. 日本語はどのくらい話せる?

多くはN4レベル(簡単な日常会話)。
来日前に研修を受けるため、徐々に向上します。

まとめ

技能実習の成功は「流れの理解」と「準備」がすべて

技能実習生の受け入れは複雑ですが、正しいフローに沿って進めればスムーズに受け入れが可能です。

企業が行うべきことは以下です。

  • 職種・人数の確認

  • 社内体制整備

  • 監理団体との連携

  • 書類申請の正確な管理

  • 生活・職場環境の整備

これらが整うことで、実習生が安心して働き、企業の即戦力として育ちます。